東北センチジャーニーレポート 第3日

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ぴろり
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2002/07/22 00:00
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峠道 カテゴリ

 曇りのち晴れ

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4:30 起床。こんなに早くに起きたのも、顔の上に雨が降ってきたから(泣) すぐに止んだものの天気は曇り空。あまり良いお天気とは言えない。二度寝するわけにもいかず出立の準備をすることにした。顔を洗いに洗面所に行くと、何かでかい塊がもそもそ動いていて驚いたが…こっちも先客だったらしい(苦笑) 寝袋を積んで5時過ぎに道の駅を出る。目的地は河童淵と水車小屋だ。

道の駅から朝焼けを望む

5:30 [771.5km] 少し走ると河童淵の案内がある。河童淵は常堅寺の裏手にあって少し判りにくい。お寺自体も普通の田舎の家並みの中にあって、とりたてて大きいという訳でもない。「田舎の畑」といった感じの空間を抜けて淵に辿り着く。…あぁ、実家を思い出すなぁ。
 訪れた時間には川面に靄(もや)がかかっていたりして神秘的だった。だが、激しく田舎出身な人ならまだしも、年頃の二人のデートスポットというには程遠い感じがする。河童の像を祭った小さなお堂があって、お約束の旅の思い出ノートを発見。もしかすると巡礼の旅人達とえみりゅんの記録が見つかったかもしれない。河童淵は、それなりに有名(と思う)な観光スポットの割に、そのすぐ隣にある稲荷神社は手入れがされていなくてボロボロだったりと、その廃れ具合が少し切なかった。

常堅寺境内。早朝のお寺は取りの囀りだけが聞こえる センチスポット。河童淵。淵というよりも小川? …が、確かに雰囲気はある

6:15 [776.5km] 水口の水車小屋。観光ガイドにも載ってたりして有名。ゲーム中の背景を見ると、原っぱの真ん中にポツンと建っているようなイメージがあるが、実際のところ、すぐ両脇には民家があって少しズームを引くと軒先が画角に入ってしまう。この水車、中を覗いてみると何かを挽いているみたいで、事実稼動している様子。水の音と木の軋む音、杵の音が、ただただ続く。屋根の藁葺きには草が生えていたりして、時間だけが作り出せる造形に素直に感心してしまう。

同じ画角に挑戦

6:45 [787.1km] 遠野駅で朝飯…と言いつつ駅の売店で買ったメロンパン一つ。倹約の仕方を間違っている気がする。駅の路線図を見ると仙台からは随分と遠いようだ。市外のデートスポットが県境を越えるのは反則だと思うが…?(美由紀の高岡城址公園も隣の富山県だったな) かっぱリュックは発見できず。それ以前に、早朝だったため店が閉まっていた。残念。

遠野駅にある物産センタ 遠野駅に棲む人見知りしない猫。けっこう有名らしい

7:15 [853.1km] 遠野駅を後にしてR396からR4に乗るルート。R4に乗ってしまえば、盛岡を越えて青森へまっしぐら。8:00には岩手県盛岡市入りしR4に合流。このまま走れば八戸市・十和田市を経て青森市に至るが、途中でR282に入るルートを選択する。次の目的地は青森県十和田湖だ。

10:30 [911.0km] 安比高原R282分岐。道が広くて車も少なく、天気も良くて、気温も涼しい。ホント快適。夏場は東北ツーリングという人が多いのも納得する。道が広いのは、やはり雪が多いことを考えてだろうか。雪が多いと云えば、信号機。都内の信号機は三つ目が横に並ぶが、岩手県に入ってからは縦に並ぶ信号機ばかりだ。横に並べると、冬場、雪が積もってしまうという理由らしい。なるほど。秋田をかすめて十和田湖方面を目指す。

11:00 [940.0km] 秋田県鹿角市入り。今回は目的地への単なる通過県でしかないが、岩手、秋田にも見所は山のようにあるだろう。同じ日本国内であっても、京都と秋田は随分と距離もあるし文化も風習も異なる。そんな違いを肌で感じてみたいと思う。自分にとって東北は全くの未踏の地だから。
 そろそろお腹も空いたし早めに食事をとる。12:00、国道沿いの食堂で焼肉定食@栄養。店内の客は自分一人で調度品も当に大衆食堂そのもの。出てきた料理もえらい質素で美味。でも、自分は大好き、こういう雰囲気。走っているとやたら自衛隊車輌をよく見かける。洒落で手を振ってみたら、手を振り返された(汗) 嬉しいんだか恥ずかしいんだかで妙にドキドキ。

13:00 [992.0km] 道路案内に従って走り続け、十和田湖を望む山上の展望台に到着。この頃にはすっかり天気も回復していた。道中は下の写真にあるような林の中を適度なカーブの道が続く。真っ青な十和田湖面と岬の深緑、抜けるような空の青さに、真夏の匂いのする風が心地よい。 このツーリング中一番のロケーションだった。景色を満喫した後は土産を買って出発。13:30。

綺麗な舗装路、素晴らしい天気! これぞツーリングの醍醐味。苦労した甲斐のある絶景。十和田湖展望台

13:40 [1000.0km] 湖を望む展望台を下り湖畔を走る。下る途中、後輪が石片を見事に捉えてスリップ、危うく対向車線に吹っ飛ぶところだったヨ(汗) やっぱり下り坂の右カーブは嫌いだ…(自爆経験あり) 湖畔をしばらく走ると岬への案内が出る。駐車場にバイクを止めて散策。有料駐車場であってもバイクだと100円とかの破格で止めてもらえるので随分と楽。いざとなったら路駐だってOK(ぉぃ)
 深い杉並木の中を進むと十和田神社がある。この杉並木が格別に静かで、頭上から降り注ぐ木漏れ日が、至る所で小枝に緑を広げている。短い夏の間に、陽の光を受けて懸命に背伸びをする姿が微笑ましい。神社の社殿がゴツイ岩の露頭の上に建っているので見た目のインパクトはある。ちなみに巫女さんの姿は無い。この十和田神社から更に歩くいた畔沿いに背景にも使われたスポット、乙女の像がある。ちなみに遊覧船にはお目にかかれなかった。残念。
 オドメータが一周し、走行距離1000kmを突破。まだまだ旅の半ば。

十和田神社 乙女の像。逆行で露光ミス(;_;)

14:30 [1013.6km] 十和田湖から十和田市あるいは八甲田山へ抜ける途中にある渓谷が奥入瀬渓流。下るに従って約15kmに渡り様々な表情を見せてくれるから楽しい。道も広くて、緑のトンネルの中を渓流の水音を聞きながら走ることができる。水の粒子を含んだ空気が心地よかった。 ここでは何度もバイクを止めて渓流の写真を収める。

センチスポット。夏場はマイナスイオンでお勧め 少し入ったところにある九段の滝。観光客も多い 渓流と道路が平行に走る緑のトンネル

16:00 [1042.0km] 八甲田山に向かう途中、蓮連沼に寄り道。バイクを降りて気が付いたのだが、網を持って一振りすれば勝手に捕まえられそうなくらい、凄い数のトンボが空を飛んでいる。素直に感動してしまった。赤トンボだろうか? だとすれば本当に北国の夏は短い。
 沼の向こうに八甲田山系を見渡せるが雲がかかっていて幾つかの山頂を見ることはできなかった。

中央が八甲田山 右にパン 更に右

16:05 [1046.2km] 走っていると強烈な硫黄臭がしてきて、ふと横を見ると湖面から湯気が立っている。気になって寄り道した地獄沼。観光地というほどでも無く、看板が一枚建っているだけ。 灰白色の水に触れてみると40~50℃くらいの水温がある。カルデラ湖である十和田湖のすぐ近くだから、火山性起因の景勝があっても不思議ではない。地図を見ると確かにこのあたりは温泉が多い様だ。時間があれば寄って行くのになぁ… 実は大の温泉好き。

16:15 [1053.0km] 八甲田丸の八甲田山。時々、六甲田山と間違える。幾つかのセンチスポットが山頂から撮影されたものらしく、とりあえず行っとくことに。山頂まではロープウェイがあるのでそれを使う。「ロープウェイなんて久しぶりに乗るなぁ♪」なんてワクワクしながら駐車場にバイクを止める。広い駐車場は閑散としていて数台の車が止まっているのみ。不思議に思いながら乗車券を買おうと窓口に行くと …本日の営業はすでに終了していた。八甲田山散策、終了。シオシオ…
 それにしても妙子の市外デートスポッである十和田湖といい八甲田山といい、大自然を満喫するには絶好のポイントだ。夏場は爽快なツーリングコースも満載なので、俺的12都市ランキングでも青森のランクはかなり上位に入れ替わった。ちなみに私の母親、名は妙子といい、結婚前の旧姓は安達だった。関係ないけど。

硫黄臭が強烈な地獄沼 がびーん

16:55 [1070.2km] 八甲田山から青森市内への途中にあるねぶたの里。山一つを借切ってその中をまるまる観光園にした感じだ。ねぶた資料館や土産物屋のほかにもキャンプ場やなんかもあって、相当人数を収容できそう。とにかく広いが、平日のためか園内は閑散としていた。観光客って…もしかして自分だけ? と思えるほどに。資料館では青森・弘前でのねぶた祭りの違いやなんかを展示してあって、なるほどと思う。
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想像以上に大きい。資料館の天井一杯

18:10 [1078.2km] R103から青森市内までの途中にあるサンロード。最初、何の施設かと思っていたが、実は大きなショッピングセンタ。中にはゲームセンタとか雑貨屋、電気屋などがある。 若者向けのショップが多く、遊ぶには困らないと思う。

妙子「今日は付き合ってもらってごめんね…」
主人公「いいよ、気にしなくて」
妙子「今日は行ってみたいところがあるんだ!」
 今日の妙子は妙にはしゃいでいる気がする。
青森に来るのも随分と久しぶりだから…そのせいかもしれない。
 妙子は嬉しそうな顔をしながら、ぐいぐいと僕の腕を引っ張っていく。
主人公「おいおい、そんな急がなくてもお店は逃げないよ…」
妙子「ダ~メ! 早く行かないと売り切れちゃうよ!」
 若者向けのしゃれた雑貨店が並ぶサンロードの中を
そんな店には目もくれずに二人は…突進していた。
(一体どこに向かっているんだろう?)
 そんなことを思う間に、目的の店…もとい食料品売り場に着いた。
(あれ? ここは…?)
妙子「はい! あなたもお願いね!」
 そう行って妙子は買い物カゴを僕に渡した。
妙子「今日はサラダ油が大特価なの。お一人様、2本限りなんだから!」

 10分後、サラダ油だけを両手に持った自分がレジに並んでいた…

センチスポット。残念なことに露光不足…

18:30 ホテルに伝えた時間まで少し時間があったので青森ベイブリッジを走ってみる。青森駅の頭上を越えて八甲田丸を横目にフェリー乗り場に続いている。結構な数の車が走っている。

19:00 [1086.5km] 青森グリーンホテル着。ホテルの駐車場にバイクを止めて部屋に荷物を置く。とりあえず荷物の整理は後にして青森駅周辺の散策に出かける。
 まずは青森駅。驚いたのは自動改札じゃないこと。昔ながらの駅員さんのいる改札で、会社帰りのサラリーマンが定期券を見せて通っている。実家の方も既に自動改札化されているのに何故? 雪国ゆえの深い理由があるのだろうか? 入場券で中に入ったものの、駅自体はそんなに大きくない。青森駅前からベイブリッジも見渡せるが、デジカメだと露光が足りずに撮影を断念。
 御土産を買って実家に宅急便。その後、まともな晩飯。今まで安物でなれてしまった口に本場のウニは合わなかった。もったいないな…

青森。思えば遠くへ来たもんだ ラビナ。バーゲン! バーゲン! ラビナの中。もう少し歩け>センチスタッフ 青森駅前通りから見た新橋通り 夕食。うにホタテの卵とじ定食 青物でお祝い。ようこそ青森へ

今日の歩き:30,253歩

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