210 円で作る USB 接続アーケード ジョイ スティック

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ぴろり
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2013/09/06 20:44
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カバーイメージ

 パソコンなどでゲームをプレイする際に、ゲームセンターのアーケード筐体にあるようなジョイ スティックがあると便利です。ただ、自分の場合は、それほどゲーム狂というわけでもないので、数千円も出して買うには躊躇してしまいます。そこで、とりあえず雰囲気だけでも、ということで、ジャンク品を改造して、USB 接続のジョイ スティックを格安で作成してみました。

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材料

ジョイ スティック

 PlayStation や メガドライブ、ドリームキャストなどの旧世代ゲーム機用の周辺機器コーナーを探します。中古品、ものによってはジャンク品で十分です。スティックとボタン、筐体を流用するので、タッチやデザイン重視で選びます。同じ買うのであれば、スティック部分はマイクロ スイッチ式のもの*1、ボタン部分もメンブレン スイッチなどではなく、独立スイッチのものを選びましょう。コンシューマ ゲーム機において、ジョイ スティックを購入してまでプレイするようなユーザは、主に格闘ゲームが主な目的だと思いますので、そういったジャンルのゲームが充実しているゲーム機向けの周辺機器が狙い目かもしれません。個人的な感覚ではセガのハードがお勧めです。
 今回、購入したのは、HORI の セガ サターン用 2 軸 8 ボタン ジョイ スティック "FIGHTING STICK SS" 。ハードオフで税込み105円也。

HORI FIGHTING STICK SS  HORI 製 セガ サターン用ジョイ スティック。セガ サターンといえば、もう20年前の機体になってしまうんですねぇ... ABS 製の筐体に鋼鉄製の天板が付いていて、重量もそこそこあってズッシリしています。中央に各ボタンの連射オン/オフを切り替えるパネルがはめ込まれています。

型番ラベル  型番は "HSS-07"。今となってはさすがの Amazon にも売っていません。

USB 接続のゲーム パッド

 パソコン周辺機器のジャンク品コーナーから、2 軸 n ボタンのゲーム パッドを調達します。分解して取り出した中の基板だけが目的なので、使い勝手やデザイン、汚れなどよりも、先述のジョイ スティックに載っている数以上のボタンが付いていれば問題ありません。エレコムやバッファローが製品を乱発(?)していて、また作りが素直なので、適当なものが見つかるでしょう。稀に、製品の回路によっては、簡単に改造できないものがあったりしますが、こればかりは購入した上でバラしてみないと判りません。
 今回、購入したのは、ELECOM の USB 接続 2 軸 9 ボタン ゲーム パッド "JC-U609SV" です。同じくハードオフで税込み105円也。

ELECOM JC-U609SV  ELECOM JC-U609SV。サターン パッドそっくり。よくあるメンブレン方式スイッチで可もなく不可もなく、な作り。

型番ラベル  型番ラベル。このシールの下にもネジが隠されている。

分解

 先ず、改造の成否を大きく左右するゲーム パッドをバラしてみます。

裏蓋ネジを外してサクッと分解。  裏蓋ネジを外してサクッと分解。スイッチは全てメンブレン方式で、基板上には数点の部品しか載っていません。基板とケーブル以外、大量のプラスチック部品はゴミ箱へ直行。

回路図  基板の回路パターンを追いかけてみると、ボタン 1 が少し変な接続になっているだけで、それ以外のスイッチは全て GND を共通していることがわかります。このように、VCCGND などの共通線からボタンが生えている(?)ような製品だと改造が非常に楽チンです。回路図データ(BSch3V)

 次にジョイ スティックをバラします。スティック部分は 4 つのマイクロ スイッチから合計 8 本の信号線が出ており、8 つのボタンはカソード/アノードを共通にした基板から 9 本の信号線が出ていました。また、ボタン毎に連射機能をオン/オフできる機能がついていますが、制御基板と一体になっているのでバッサリ捨てることにします。せっかくなので、制御基板からはスティックとボタン基板からの信号線のコネクタを取り外し、配線をそのまま流用できるようにしてみます。

裏蓋を外してみる。  裏蓋を外したところ。中はかなりスカスカで、独自の制御基板などを入れ込む余裕はかなりありそうだけれど、厚みの制限がちょっと厳しい。左上にボタン、右上にスティック ユニット、中央が制御基板。

ボタン×8個が乗った基板。  天板に取り付けられたプッシュ ボタンに基板が直接ハンダ付けされているので取り外しは困難。パターンを追いかけてみると、アノード/カソード コモンなので、先のゲーム パッドのボタン 2~9 にそのまま流用できる。ラッキー!

ステイック部分  メーカー不明のスティック ユニット部分。上下左右の各方向にマイクロ スイッチが取り付けられていて、夫々から独立した配線が伸びています。コモン線は存在しませんが、基盤側の配線でなんとでもなるので、これまたラッキー!

連射機能付き(表側)の制御基板  制御基板。この裏面(筐体の表面)に連射機能設定スイッチとスタート ボタンがあります。ボタンとスティックのユニットからはコネクタで接続されていて分離可能です。

合体

 分解したUSB ゲーム パッドの各ボタンについて、ジョイ スティックの各ボタンから伸びる信号線を結合してやります。ゲーム パッドの基板をそのまま残して、基板上の回路パターンから配線を生やしても良いのですが、使われている部品が少ないので、せっかくなので万能基板上にコンパクトに組みなおしてみました。

ボタン1用の穴を開ける  ゲーム パッドは 9 ボタンで、筐体側のボタンが 1 つ不足します。そこで、手持ちパーツを使って足りないボタンを 1 つ増設します。天板には鉄製の化粧板が張ってあって加工が面倒なので、ABS 樹脂の側面に穴をブチ開けました。まぁ、そんなに沢山のボタンがあっても使わない気がするので、面倒であれば省いてしまっても良いのでしょうが、貧乏性なので...

 ゲーム パッドから取り外した部品を万能基盤上でコンパクトに再構築、コネクタも流用してユニット化してみました。主役は中央の IC 一つです。写真では、手前左の白いコネクタがボタン基板へ、手前右の 2 ピンがボタン 1 へ、奥左の白いコネクタがスティックへ、奥右の 5 ピンが USB ケーブルに接続されます。コネクタを含めて流用したので、制御基板だけを入れ替えて、スティックとボタンから伸びるコネクタを差し直すだけの親切設計。基板レイアウト図(PCBE)

 後は組みなおして裏蓋を閉じれば完成。仮に加工に失敗しても元が格安のジャンク品なので心配無用、ダメだったら買い直しましょう。ジャンク品をリサイクルして、お気に入りのジョイ スティックでゲームを楽しんでみてください!

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  1. *1 レバーを倒すと「ふにふに」な感触ではなく「カチッカチッ」と音がするタイプ

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