先日、初めて Mozilla Thunderbird アドオンを開発・公開してみましたが、そこそこ簡単なアドオンだったので、アドオン開発を始める取っ掛かりとしては好感触でした。開発環境を準備するところから完成に至るまでのステップを、自分のためにもメモしておきます。
Mozilla Thunderbird(以下、雷鳥という) アドオンを開発する場合、以下の知識が必要になります。
雷鳥や Mozilla Firefox のユーザ インタフェース(UI)は XUL (XML User Interface Language) というもので記述されています。まぁ、ぶっちゃけ『HTML の親戚みたいなもの』で、HTML のように UI 要素を記述します。本格的なデザインの UI でも、最初に要素をガシガシっと設置してから後で CSS で微調整する感じのようですし、改めてタグを覚えなくても、困ったらリファレンスを見ながら使えば十分でした。
また、実際の動作や処理の記述も、凝ったものでなければ JavaScript の DOM 操作だけで良いようです。実際、TagSequenceArranger アドオンでも;
onclick="function(){...}"
var mTagListBox = document.getElementById('tagList')
mTagListBox.removeItemAt(index);
mTagListBox.insertItemAt(...)
...という処理を JavaScript で記述しています。メモリやスレッドを使いたい場合には、更に進んで XPCOM という仕組みを使うようですが、ここまで触る必要はありませんでした。
ここで言う"開発環境"とは、開発用の専用アプリケーションのことではなく、"アドオンを開発するために使う雷鳥 profile"のことを指します。ツールとしては、雷鳥本体と使い慣れたテキスト エディタがあれば良いです。普段使っている profile で開発することも不可能ではありませんが、アドオン開発には関係のないアドオンが大量にインストールされていたり、開発中の事故でメールや設定が壊れてしまう可能性があるため、別途、開発用の profile を用意した方がよいでしょう。開発用の profile は、雷鳥の Profile Manager を起動して作成します。
次に、作成した開発用 profile で雷鳥を起動するためのショートカットを準備します。
"C:\Program Files (x86)\Mozilla Thunderbird\thunderbird.exe" -no-remote -P 開発用
このショートカットから起動すると、先ほど作成した開発用の profile で真っ新な雷鳥が起動します。アドオン開発に便利なように、幾つか環境設定を変更します。
dump()
コマンドまた、開発を支援するためのアドオンも幾つか導入しておきます。
以上です。次回からアドオン本体の開発に進みます。
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