10 年かけて映画を 7,000 本以上見たという人が降臨した2ちゃんねるスレッドのまとめ。それについて、スレ主がどういう人物なのかを itotto さんが分析されているようですが、7,000 本もの映画を見た割りにスレ主の評価はあまり高くないようです。まぁ、私も同じような感想を持ちました。
ただ、スレ主が見た映画について、どんなくだらないコメントでも構わないので、何かしらの記録を残していたら世間の評価、更にはスレ主の未来もまた少し変わっていたかもなぁと思いました。
食べたものやデートで遊びに行った場所、その時々のつぶやきなどなど、個人の些細な行動を気軽に投稿できる様々なウェブ サービスがあります。「人生を logging する」ことからライフ ログ(Life Log)と言われたりもします。ライフ ログの個々のログ単位について言えば、はっきり言ってゴミと言いますか、情報価値は殆どないようなものばかりと言っていいでしょう。著名人ならまだしも、どこの誰だか知らない人間が昼飯に何を食べたとか興味あります? 先の話で言えば、どこの誰とも知らない人間が見た映画の感想や薀蓄に興味なんてありますか? ということです。
しかし、ライフ ログとして映画の感想が 7,000 ともなってくると話が変わると思います。少なくとも映画 7,000 本を見た上で、それに対して何らかのコメントをする、というのは純粋に非常に時間を要することですし、個人的な感想とは言え、7,000本もの映画に対するコメント、というのはデータ量としても魅力的です。それだけでおそらくコンテンツとして成立するでしょうし、それらのログを以って何らかのアイデンティティを認めることもできるでしょう。そういう意味で、先のスレ主が、見た映画について仮に 1 行でもコメントをログし続けていたら良かったのになぁと思うわけです*1。
映画 7,000 本といかなくても、毎日コツコツとライフ ログを続けてる人は意外に多いと思いますが、ほとんどの人はログに残して終わってしまっているのではないかとも思いました。先のスレ主が映画のライフ ログを運営していれば、残されたログだけで十分にコンテンツとして成立しそうですが、しかし多くの人がやっているであろう「ランチに何食べた」「○○温泉の大浴場なう」といった程度のログでは、コンテンツとして見るには難いと考えます。しかし 5年10年という単位で記録されたライフ ログというのは、価値あるコンテンツの原石に化ける可能性が高いと考えています。
データ マイニング(Data Mining)では、大量のデータについて統計学やパターン認識、人工知能を用いたデータ解析の手法を用いて、データの中に隠された新しい法則や知見、価値を抽出しようという試みです。例えば、コンビニエンス ストアやスーパー マーケットなどで、レジが収集した売り上げ情報や、その商品を購入した客層、更にはその日の気など様々な情報から、最も最適な商品の仕入れを行うのもデータ マイニングの一つと言えるでしょう。
つまり、「ランチに何食べた」「○○温泉の大浴場なう」といった、それだけでは一見何の価値も無いようなライフ ログについて、データ マイニングによって何らかの新しい知見や情報を得ることができないだろうかということです。これを勝手に "Life Log Mining" と命名して提案してみます。