情報の秘匿性の高さを一般にプライバシー(privacy)と言いますが、最近、その反対語である情報の公開性の高さをパブリシー(publicy)と言うようです。今まで、ネットワーキングで重要なのは、プライバシー コントロール(プライバシーをどこまで公開するか)であると言われていて、mixi や Facebook などの SNS が成功したのは、そこに秘訣があるのではないかと私は考えています。他人のプライバシーを知りたい、という欲求と、「ちょっとだけよー(加藤茶)」というチラ見せ精神。しかし、その反対に、Twitter などのサービスは、いわば個人の今を自ら暴露する、パブリシーを高めるサービスとして成功していると思うのです。
プライバシーとパブリシー、この両者にはどんな関係があるのでしょうか? という持論メモ。
大げさに数式にするまでも無いと思いますが、情報が公になればなるほど(パブリシーが高くなるほど)、プライバシーは低くなりますよ、ということです。まぁ、当たり前っちゃ当たり前ですね。ここで、Privacy は 0 以上の値です。今までは、この Privacy を高く保ち続けることがネットワークおよびネットワーキングでは重要でした。
ここで注意するのは、Publicy が負の値を認める、ということです。パブリシーがマイナスとはどういう状況かと言うと、それは故意に偽の情報を公開することであると思います。ぴろりさんは、19歳の子顔短大生ブロガー(女)なのです。すると、面白いことに Privacy が高くなるのです。実際のぴろりさんは、三十路のキモヲタリーマン(右上写真)かもしれませんが、偽の情報が広く蔓延すると本当の姿を逆に隠蔽することができます。
昔、UFO 特集番組があって、アメリカ軍は宇宙人の死体を手にしただとか、地球製の UFO が既に作られているだとか、色々言われていましたが、もうこうなると何が本当で何が嘘かわからなくなってしまいます。プラスのパブリシーを、マイナスのパブリシーで相殺、多分、そういう情報操作なんじゃないかと思うわけです。
と、ここまで書いておいて、先の数式では、Twitter のようなサービスをうまく表現することができません。多分。Twitter に TL を流しまくってもプライバシーは保たれる場合があるからです。ですので、ここで重要なのは、プライバシー コントロールとは逆の考え方であるパブリシー コントロール(情報を公開することでどうなるか)ではないかと言えます。こんな所まで見せちゃう! でも肝心の所が見えない! みたいな。Twitter の秘訣はこのエロス(?)にあるのではないかと思います。今までの Web サービスでは、サービスによって受動的にプライバシーを守ってもらっていましたが、今後の Web サービスでは、パブリシーを自ら主体となって能動的にコントロールすることで、更にユーザ主体の情報発信が可能になるのでは、とも思います。