日本でもサービスが始まった Google Street View ですが、ネット上での各所の反応を見ていると、単純に面白いだとか、何だか気持ち悪いだとか、様々な意見が飛び交っています。 そこで、私も Google Street View サービスについて思ったことなどをつらつらと書いてみたいと思います。
Google Street View は今までの Google の各種サービスと比較して決定的に違う部分があります。それはユーザの情報の Contorolability です。
検索エンジンでは、ブログなどに書いたものが勝手に収集されてしまうという点では同じですが、収集されて困る情報はネット上に公開しなければよかったわけで、ブログに何を書くのか=何を収集してもらうのかという部分はブログの書き手の制御下にありました。
それが Google Street View の場合、頼んでもいないのに自宅写真がネットに掲載されてしまう。しかもいつ撮影されたのかもはっきり判らないとなれば、COntrolability も何もあったものではありません。
もうひとつ Google Street View が他のサービスと違う点は、ネットとリアルの距離感覚ではないかと思っています。例えば、ネットで何かが起こっていたとしても、それはLANケーブルのを挟んだ向こう側の話であって実生活にはほとんど影響がありませんでした。ネット世界というのは、ユーザがリアル側から能動的に一歩踏み込むことでアクセス可能だった世界だったのです。
しかし Google Street View ではネット側の世界がいつのまにか窓の外まで来ていた。そしてネット世界が窓を挟んだすぐ向こうに在るという現実をまざまざと見せつけられてしまった。その戸惑いの表れが様々な反応を生んでいるんじゃないかと思うわけです。
Controlability という点で言うと、例えばアニメ「電脳コイル」みたく、自宅の壁に何かマークを書いておくと、Google Street View の管理ドメイン外として撮影されないみたいな仕組みがあると面白いかもしれませんね。リアル版 robot.txt みたいな(笑)