寒いですね。朝は布団から出るのがツライ今日この頃です。
皆様、今の季節、おそらく布団を数枚重ねて就寝されていると思いますが、布団は薄い順に重ねる派(体→毛布→掛け布団)ですか? それとも、分厚い順に重ねる派(体→掛け布団→毛布)ですか? どちらの順番で重ねた方が、より暖かく眠れるのでしょうか? 眠れない夜にこんなことを思いついたので、少し考えてみました。
まず、Fig.1 のようなモデルを考えます。二枚の布団を重ねたとき、それぞれの布団の熱伝達係数を k1
、k2
とします。k
が大きいほど熱を伝えやすい薄い布団であることを意味します。反対に分厚い布団は k
が小さくなります。
一枚目の布団 A
を通過する熱量と、二枚目の布団 B
を通過する熱量を、それぞれ QB→
、Q→R
とします。また、体温を TB
、二枚の布団の間の温度を T
、室温を TR
とします。ただし、TB > TR
です。
ここで、ニュートンの冷却の法則に拠れば、単位時間・単位面積あたりの熱の移動量は以下のように表すことができます。
ここで、十分時間が経過した後で、二枚の布団の間の温度 T
が一定になったとすれば、布団 A
から流入する熱量と、布団 B
を経て放出される熱量が等しいことから
これにより、十分時間が経過した後では、二枚重ねの布団を通じて、QB→ = Q→R
の熱量が部屋に放出されることになります。これは同時に人体から失われる熱量に等しく、この値が大きいほど寒く感じるはずです。このとき
上式において、k1
と k2
を入れ替えても値は同じです。すなわち、十分に時間が経過した後では、布団は薄い順番に重ねても、分厚い順番に重ねても、暖かさは一緒ということが言えました。
ここで、熱伝達係数が半端な 2k
の毛布 2 枚の組み合わせ(A)と、熱伝達係数が k
の掛け布団 1 枚、熱伝達係数が 3k
のタオルケット1 枚の組み合わせ(B)ではどちらが暖かいでしょうか? 上式を利用して計算してみます。
TB > TR
より、QA > QB
。すなわち、半端な毛布 2 枚の組み合わせ(A)よりも、分厚い掛け布団 1 枚と、薄いタオルケット 1 毎の組み合わせ(B)の方が暖かいことがわかります。
久々に数式をいじったので間違っていたらゴメンナサイ
寄せられたコメント (全 2 件中、最新 5 件まで表示しています)
毛布を重ねた方が暖かいと思いますよ。私は家族に教えられてそうする
ようになりました。
たぶん、羽毛布団にできる断熱性の高い空気の層が体の近くにあって、
かつ毛布が空気の出入りを制限する殻の役割をするんじゃないでしょうか。
実は温度だけじゃなく湿度の面でも快適な気がします。