まっさらなインデックステンプレート。それが私のスタートライン―――
新しいサイトを作る時、デフォルトテンプレートを全て削除することが私の最初の作業だったりします。”使えない理由"ではなく"使わない理由"を個人的に3つ。
おそらくは Style Catcher での利用を考えてのことと思うのですが、最初の数回は嬉しくってくるくると入れ替えて遊んだだけで、その後はばっさりとプラグインごと削除してしまいました。そもそも Style Catcher によって適用されたデザインをそのまま使っている人の方が稀だと思うのです。ブログパーツを貼り付けたりだとか、画像を差し替えたりだとか、プラグインを入れてカスタマイズしているうちに元に戻らなくなることは必至だと思うのですがどうなんでしょう?
また、単純にタグが多いということは、カスタマイズの途中で閉じタグの対応をずらしてデザインを崩したり、invalid な HTML を生成することの素因にしかなりません。しかも、モジュールに分割されていたり、<MTIf> による条件分岐があったりで、デバッグが困難です。
あなたは数多くのモジュールや変数の複雑な依存関係を把握して、ようやく標準テンプレートの構造を掌握できました。おめでとう! …さて、これから作るサイトはその枠組みの中で自由に作ることができますが、その枠組みを外れることは決してできません。
コアな構築をする人の視点だからかも知れませんが、理由としては一番大きかったりします。MT4 の標準テンプレートではたくさんのモジュールテンプレートが作られ、インデックステンプレートやアーカイブテンプレートから include されています。ここで、MT4 になってテンプレートがモジュール分割されて構造化されたとか言ってる人はモジュールの意味を履き違えている人なので気をつけましょう。
意味のないモジュールテンプレートの濫用は、メンテナンス性を損ね、再構築時の負荷を増すだけなので注意が必要です。また何よりも、設計の悪いモジュールは、一部のモジュールへの変更がサイト全体に影響を与え、最悪、サイト全体が表示されなくなるなどの危険性を増すだけです。MT4 のデフォルトテンプレートでは、末端に近いモジュール内でコンテクスト依存の条件分岐が書かれていたりして、メンテナンス性と見通しが相当悪い印象を受けます。MT3 から MT4 に移って当惑された方の違和感の理由は恐らくこれだと思います。
もしこれからも MT を継続的に使ってみようと思われる方は、苦労してまでデフォルトテンプレートの構造を解析しても得るものはあまり無いというのが私の個人的な感想です。デフォルトテンプレートはさっさと削除してしまうのが良いのではないでしょうか。
かと言って、いきなり白紙のインデックステンプレートからサイトを作るのは不安とおっしゃる方は、とりあえずインデックステンプレートに HTML を直接書いてしまうのが一番良い方法です。HTML 初心者であれば尚のこと。そして、そこを出発点にして必要なところから順々にテンプレートタグに置き換えを進めていきます。
そして次にアーカイブページを作ります。ここでも先ずは HTML を直接書いてしまって、必要な部分から順次テンプレートタグに置き換えてやれば OK。そのうち、夫々のページで共通な部分が見つかると思うので、その時点でようやくモジュールテンプレートを使えば良いでしょう。
その結果、サイトの構造にピッタリ合った自然で判りやすいテンプレートが出来上がります。幾ら汎用性が高いとは云え、既にあるテンプレートの構造に、自分の作りたいサイトをはめ込もうとしたところで無理が出てくるのは仕方ありません。『軍服に体を合わせる』のは軍隊でのお話です。
加えて、HTML の状態から次第に MT テンプレート化する作業の中で、必要なテンプレートタグを必要なタイミングで体験学習できる効果も期待できるので、テンプレートの使い方やテンプレートタグをマスターするための結果的な近道であるとも言えます。