NHK では天気予報の前に、今日の各地の放射線量を発表しています。しかし、放射線量計は県庁舎の屋上 10 数メートルの高さで計測された数値であったり、局所的に放射線量の高いホットスポットなるものがあったりするなど、正直、自分の周囲はどうなの? 子供が遊んでいる砂場はどうなの? という身近な不安がなかなか拭えません。結局のところ、自分でサーベイメーターなどを用意して自分で計測するのが確実だということになります。そこで、秋葉原で買ってきたロシア製サーベイメーター「SOEKS-01M」で空間線量を測ってみました。
秋月電子に、中国製とロシア製の二種類がおいてありまして。他の店に行くと中国製のメーターは他にも何種類か置いてあったのですが「やっぱりロシアの方が本場だろ(?)」ってことで購入。
SOEKS-01M はガイガー=ミュラー(GM)計数管を用いたサーベイメーターで、硬ベータ線とガンマ線を測定することができます。一つ前のバージョン(SOEKS-01)と比べると、GM計数管が大型化され(参考画像)放射線に対する感度が向上しています。また、ファームウェアの改良によって計数に要する時間が大幅に短縮されています。もし購入をされる場合には、無印(?)ではなく SOEKS-01M がオススメです。
ガイガーカウンターというと凄い重厚でゴツいイメージを持っていましたが、SOEKS-01M は手のひらサイズで非常に軽量かつコンパクトです。 ...まぁ、裏を返せば「ちゃちくて簡易」という域を出ないのかもしれませんが。内部を見ると、基盤が 1 枚に GM 計数管が目立つ至ってシンプルな作りです。その基盤も表面実装部品によって、左側に GM 計数管を駆動するための高電圧発生回路(規則的なパターンから推測するにコックロフト・ウォルトン回路?)、中央に乾電池の収納スペース、右側にカスタムチップと MiniUSB 端子、ブザーというくらいしか見えません。GM 計数管は何のシールドもされていないので、SOEKS-01M を裸で運用した場合、ベータ線とガンマ線の両方を拾ってしまうということですね。もし、ガンマ線空間線量を測定したいのであれば、別途、何らかの方法でベータ線をシールドする必要があります(後日挑戦予定)。
センサ部 | GM計数管 (ロシア製 SBM-20-1) |
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検出可能な線種 | 硬ベータ線、ガンマ線 |
読み取り可能な等価線量 | 最大1,000μSv/h(=100,000μRem/h) |
ガンマ線エネルギーレンジ | 0.1 MeV 以上 |
寸法 | 105mm × 43mm × 18mm |
重量 | 57g |
表示部 | カラー TFT 液晶(128ドット×160ドット) |
電源 | 単 4 乾電池×2、MiniUSB 端子からの充電*1が可能 |
SOEKS-01M では、ソフトウェア メニューによって以下の設定が可能です。「カーソルを次の項目に移動」ボタンと「決定」ボタンしかないため、前の設定項目や画面に戻ったりできません。設定項目を一つ変更するたびに、トップメニューから辿りなおさないといけなのでちょっと面倒です。ただ、そんな頻繁に設定値をゴチャゴチャと変更する必要もないので、まぁこんなもんかなとも思います。
神奈川県川崎市で私が測定したところ、0.1μSv/h ちょっとのところをフラフラしている感じで、特に高い放射線量は観測されていません。日本の平均的な環境放射線量は 1 年あたり 1.48mSv と言われており、1 時間当たりに換算すると 0.17 μSv となります。また、神奈川県のある関東地方は土壌からの自然放射線が比較的に低い値を示します。ですので、現在、計測されている値はほぼ環境放射線のみによるものと推測されます。
側溝などに溜まった泥などからは高い放射能が検出されるらしいので、アウトドアでの計測もしてみたいと考えています。表は随時更新中です(=゚ω゚)ノ
サーベイメーターが示す放射線量には、実は秘密があるっぽいので、また記事にします。