MovableType のコメント欄でツリー掲示板を実現するプラグインMTCommentTree は、MovableType のテンプレートタグを拡張するだけですから、返信用のリンクなどの処理は JavaScript なりを使って自前で用意してやる必要があります。先日、FOX通信の
Irana さんから、このあたりの処理や書き方について詳しく知りたいとの要望がありましたので、
こちらのエントリに起こさせて頂きましたm(_ _)m
このエントリでは、MTCommentTree プラグインを使用して、ツリー型掲示板を設置する際に必要なテンプレートタグの書き方や JavaScript について説明しています。
子の子を孫と言いますが、MTCommentTree では重要ではありません
また、一つのコメントは高々一つの親と、0 個以上の子を持つことができますが、 親を二つ以上持つことは決してありません。 親を持たないコメントは列の一番左に表示され、特にルート(root; 根っこの意味)と呼ばれます。
MTCommentTree プラグインでは、特定のコメントへの返信がされる時、
「どのコメントに対する返信なのか=どのコメントを親に持つのか」という情報を、
コメント投稿欄の URL 欄から判断します。
そのため、URL 欄を本来の目的で使用することはできなくなってしまいますが、
その反面、MovableType 本体に特に改造を必要とすることもなく導入することが可能としているのです。
URL 欄に 1 と入れて投稿されたコメントは コメント 1 を親に持つ、1 の子となります。
また、URL 欄が空欄の場合、投稿されたコメントは親を持たないルートになります。
説明のために 1, 2, 3 ... という数字を使っていますが、実際にはコメント ID を指定します。
<MTCommentTree> <$MTCommentAuthor$> at <$MTCommentDate$><br /> <$MTCommentBody$> <MTCommentHasChild><blockquote> <$MTCommentChildRecurse$> </blockquote></MTCommentHasChild> </MTCommentTree>
<$MTCommentChildRecurse$>
が少し理解に苦しまれるかもしれませんが、
この部分には <MTCommentTree>
〜 </MTCommentTree>
の部分が、
写し鏡のように繰り返し書かれていると考えてください。
<MTCommentTree>
コンテナタグで一つの親と子が、
どのように HTML に表現されるかを書いておくことで、
親と子、子と孫、孫と曾孫…という関係でも再帰的に扱うことができます。
type=hidden
)フィールドに置き換えます。
<form name="comments_form" method="post" action="http://www.example.com/mt/mt-comments.cgi"> : // 書き換え前 ホームページなどの URL を入力してください:<br /> <input type="text" name="url" value="" /> ↓ // 書き換え後 <input type="hidden" name="url" value="" /> : </form>また、ブラウザの Cookie から、 以前に入力された URL をフォームに自動設定する処理があるので、こちらも消しておきます。
// ↓以下のコードを削除しておきます if (document.comments_form.url != undefined) document.comments_form.url.value = getCookie("mtcmtauth"); // ↑ここまで
<script> function ReplyTo (cid) { // cid で指定された コメントID を URL フィールドに指定します document.comments_form.url.value = cid; } </script>そして、コメント毎に"このコメントに返信する"というリンクを作るため、 MovableType のエントリアーカイブテンプレートを編集します。
<MTCommentTree> <$MTCommentAuthor$> at <$MTCommentDate$> <a href="#" onclick="ReplyTo(<$MTCommentID$>)">このコメントに返信する</a><br /> <$MTCommentBody$> <blockquote> <$MTCommentChildRecurse$> </blockquote> </MTCommentTree>これで、コメント毎に用意されたリンクをクリックすると、 JavaScript 関数
ReplyTo
によって コメント ID が URL フィールドに設定されます。
そして、この状態で投稿されたコメントは親子関係を持って表示されることになります。
<MTCommentTree> <span id="cid<$MTCommentID$>"> <$MTCommentAuthor$> at <$MTCommentDate$> <a href="#" onclick="ReplyTo(<$MTCommentID$>)">このコメントに返信する</a> </span><br /> <$MTCommentBody$> <MTCommentHasChild> <blockquote> <$MTCommentChildRecurse$> </blockquote> <MTCommentHasChild> </MTCommentTree>
<script> // cid で指定された コメントID を URL フィールドに指定します function ReplyTo (cid) { // 指定されたコメントのヘッダ部分の背景を変化します document.getElementById('cid' + cid).style.backgroundColor = 'orange'; // cid で指定された コメントID を URL フィールドに指定します document.comments_form.url.value = cid; } </script>
<form name="comments_form" method="post" action="http://www.example.com/mt/mt-comments.cgi"> <input type="hidden" name="url" value="" /> : //↓ガイダンスメッセージの表示用 <div id="guidance_msg"></div> : </form>
<script> // cid で指定された コメントID を URL フィールドに指定します function ReplyTo (cid) { // コメントの背景を元に戻して ReplyReset (document.comments_form.url.value); // 指定されたコメントのヘッダ部分の背景を変化します document.getElementById('cid' + cid).style.backgroundColor = 'orange'; // cid で指定された コメントID を URL フィールドに指定します document.comments_form.url.value = cid; // ガイダンスメッセージと返信キャンセルのためのリンク document.getElementById('guidance_msg').innerHTML = 'このコメントへの<a href="javascript:ReplyReset('+cid+')">返信を取消し</a>ます'; } // 返信の取消し function ReplyReset (cid) { var e = document.getElementById('cid' + cid); if (e) e.style.backgroundColor = 'transparent'; // 返信先コメントをなし(=ルートコメント)に指定しなおす document.comments_form.url.value = ''; // ガイダンスメッセージを表示 document.getElementById('guidance_msg').innerHTML = '特定のコメントに対して返信するには、' + '返信したいコメントの"このコメントに返信する"をクリックしてください'; } ReplyReset (); </script>
MTCommentHasChild
、MTCommentHasNoChild
、MTCommentIsRoot
と云った条件タグが用意されていますので、ルートコメントにのみアイコンを表示したり、
子コメントが無い場合でデザインを変えたり、と云ったカスタマイズも可能です。
コレ!と云った具体例が挙げられないのですけれど(^^;
寄せられたコメント (全 1 件中、最新 5 件まで表示しています)
これでうちの掲示板(の代わりのエントリ)をもう少しそれっぽくすることができそうです。
次のおやすみにでもチャレンジしてみます。
ありがとうございました。