このエントリで話題とする作品は18禁指定です。苦手な方はご注意を。
早速、ボーナスでお買い物ですヨ! Littlewitch さんの FFD ゲーム第二弾「Quartett!」です。主題が"音楽"ということもあって以前より気になっていたため勢いで購入。大槍葦人(NOCCHI)さんの絵柄もけっこう好きですしね(´ω`*) しかし…発売('04年4月)から半年以上経っているのに某桜屋で初回限定版が入手できたのが謎です。 …売れてないんかな?
FFD;Floating Frame Director は初体験だったのですが、このシステムも非常に面白いですね。
情景描写のテキストが皆無で、テキストは基本的に登場人物の台詞のみ。
膨大な情景描写のためのテキストによって、どうしても単調になりがちなアドベンチャーパートですが、
FFDによる動きのあるシーン演出のみによって情景描写を行い、プレーヤに台詞を読ませ想像させるようです。
人物の音声が無い分、人物像に対するプレーヤの想像力が大いにかき立てられるためでしょうか、
シナリオの魅力もさることながら、プレーヤが主体となって考えることで感情移入がし易かったとも言えます。
また要所に数多く散りばめられたギャグがFFDのコマ割りアニメとの相乗により面白い効果を出し、上手い具合にスパイスとなっています。
シリアスなシナリオ中にギャグが現れても、違和感なく漫画を読み進めるような感覚で楽しめます。
それでいて"魅せるシーン"においてもFFDによる演出が効果的です。
漫画的であって、そして常にカッコイイ。
一方で残念だと感じた点も幾つかあります。
各キャラごとのシナリオが短いために折角の設定や舞台装置などが勿体無いと感じました。
もっと音楽院での日常生活や事件などの細かなエピソードが織り込まれていても良かったかも知れません。
これはFFDが単なる紙芝居システムではないために、
シナリオ量の増加によるFFDスクリプトの増加が膨大になるためだと想像できます。
有限の開発期間の中では仕方のなかったことかも知れません。
またゲーム全体の分岐は非常に単純で、あまり複雑なフラグが無いように見えます。
やりこみ要素が希薄と言いますか、基本的にシナリオは一本道で、各キャラごとに1本、計3本が用意されているだけです。
3キャラのシナリオを済ますと、総まとめのエピローグがあり、これでCG達成率は100%となりました。これはデザイナとして絵本的な作品を目指して、プレーヤが選択肢ではなく物語に意識を集中できるよう狙ってのことかも知れません。
多少の不満はあるものの、プレーヤの想像力により生まれた活きたキャラ、大槍さんの画風、弦楽による生のBGM、
FFDによる効果的な演出、"音楽"という主題を背景に、これらが一体となり見事な作品に仕上がっていると感じました。
シナリオはシャルロット、次点でユニ。キャラはスウファ(*ノノ)
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寄せられたコメント (全 2 件中、最新 5 件まで表示しています)
>まぁ、恐らくミドルウエアみたいなのつくってスクリプトを吐き出してるんでしょうけど、
>その辺りの使い勝手とスキルが上がってくると、もっと凝った事できるようになるかもしれませんね。
テキストの表示だけ見ても1文字ずつに相当な動作バリエーションを指定できるようです。
Premiereみたく規定のエフェクトパターンから選択するだけなのか,
それともAfter Effects並に細かく指定できるのか…私も非常に興味があるところです。
シーン全体,あるいはコマの動きひとつ見ても
相当綺麗に作りこまれたオブジェクト指向設計がされているように思えます。
>(実はスクリプトはテキストエディタで手書きでした、とかだったら、かなりビックリ(笑))
専用エディタがあると生産性は一気にn倍化しますが
実はこのエディタの開発工数ってのがバカにならないんじゃないかと思うわけで。
しかもこれだけ複雑なシステム用のスクリプトエディタとなると
そのうちゲームを作っているのかエディタを作っているのか判らなくなりそうですよね(^^;
実は手書きでやってました!ってな可能性大な気がする(汗
>そう言えば、ずっと気になってることがあるのですが、
>カルテットの綴りって「Quartette/Quartetto」ではなかったのかと、発表当時からの疑問が…
>(英語表記だと「Quartet」になるのかな?)
おそらくドイツ語かと思います。
作中でも12月(December)を"Dezember"と表記してありますし。
こういう細かいところのコダワリもイイ味出してます。
まぁ、恐らくミドルウエアみたいなのつくってスクリプトを吐き出してるんでしょうけど、その辺りの使い勝手とスキルが上がってくると、もっと凝った事できるようになるかもしれませんね。
(実はスクリプトはテキストエディタで手書きでした、とかだったら、かなりビックリ(笑))
そう言えば、ずっと気になってることがあるのですが、カルテットの綴りって「Quartette/Quartetto」ではなかったのかと、発表当時からの疑問が…
(英語表記だと「Quartet」になるのかな?)
造語なのか、そう言う表記方法もあるのか、ゲーム中で語られたりするのかなぁ、なんて。